2004 Fiscal Year Annual Research Report
MAPK制御による高回転型骨代謝を利用した急速矯正的歯牙移動法の試み
Project/Area Number |
04J06032
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松尾 謙一郎 長崎大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | RAW264.7細胞 / RANKL / MAPKp38 / MEK / ERK |
Research Abstract |
先ず、In vitroにおける実験系を確立するために、マウス・マクロファージ細胞株RAW264.7細胞をRANKL存在下で5日間培養したところ、多数の破骨細胞の形成が認められた。 この実験系において、MAPKカスケードの破骨細胞分化への影響を調べるために、MAPKp38とMEK/ERKの阻害剤(SB203580とU0126)を添加したところ、p38阻害剤SB203580において破骨細胞形成抑制がみられ、また、MEK/ERK阻害剤UO126において、破骨細胞形成促進が認められた。 作用時間を検討するために、培養初期と後期に阻害剤を添加し比較検討したところ、SB203580は培養初期に作用して破骨細胞を強力に抑制したが、培養後期にはほとんど影響が認められなかった。このことは、p38が破骨細胞形成初期に働いていることを示唆している。 阻害剤を用いた結果を裏付けるために、MAPKp38とMEK/ERKの活性型,不活性型のMAPKp38とMEK/ERKのcDNAプラスミドをトランスフェクションし細胞内で強制発現させた。しかしながら、活性型MAPKp38と不活性型MEK, ERKによって破骨細胞分化が促進され,不活性型MAPKp38と活性型MEK, ERKによって破骨細胞分化が抑制されるという結果は得られず、全てのトランスフェクション細胞において破骨細胞は抑制的に働いた。 現在、用いたMAPKプラスミド群のトランスフェクション効率、発現量等について検討中である。
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