2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤の分子デザインとその抗がん剤としての応用
Project/Area Number |
04J06082
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
前田 泰司 関西大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | HDAC阻害剤 / p21 / WAF1 / HCT116 / P388 / MG63 / G2-M期 |
Research Abstract |
ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤は、p21/WAF1、Gadd45等のがん抑制遺伝子を活性化することによって、がん細胞の細胞周期停止、アポトーシスを誘起することが知られており、新しいタイプの抗がん剤候補化合物として注目されている。私は、新規HDAC阻害剤を創製し、それを抗がん剤へ繋げることを目的として研究を行ってきた。その過程で、私は、強いHDAC阻害活性とヒト大腸がん細胞HCT116増殖抑制活性を示すHDAC阻害剤K-32並びにその類縁化合物K-120、K-140などを既に見出している。このたび、これら化合物のP388白血病細胞移植マウスを用いた抗腫瘍効果を調べた。その結果、構造の末端部に、6-アミノ-2-ナフチル基を有するK-32(T/C,185% at 80 mg/kg)、並びに、3-キノリン基を有するK-120(T/C,140% at 160 mg/kg)に、顕著な延命効果が認められた。また、p53欠損株型ヒト骨肉腫細胞MG63を用いて、これら化合物の抗腫瘍活性が、他のHDAC阻害剤と同様、p21/WAF1のサイクリンリン酸化阻害によって誘起される細胞周期停止を含む機構で起こるかどうかについて検討した。その結果、これら化合物は、MG63細胞のp21/WAF1タンパクの発現を用量依存的に増加させ、p21/WAF1遺伝子2プロモーター活性を著しく上昇させた。さらに、これら化合物は、MG63細胞の細胞周期をG2-M期で停止させた。
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Research Products
(2 results)