2005 Fiscal Year Annual Research Report
自然エネルギーの高効率利用を考慮した建築形態コントロール手法に関する研究
Project/Area Number |
04J06104
|
Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
斉藤 圭 芝浦工業大学, システム工学部, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 性能規定化 / 環境シミュレーション / 採光環境 |
Research Abstract |
本研究は,市街地外部空間における自然エネルギーの高効率利用を考慮した,性能規定型の建築形態コントロール手法を提案することを最終的な到達目標としている。本研究内では,特に,市街地の住環境を代表する評価指標と考えられている日照・採光環境に注目する。方法として先ず,建築物の壁面や周辺空地,また道路上などを対象とした計算機シミュレーションを行うことにより,これまで困難とされてきた日照・採光の強弱を面的に把握する。ここで得られた数値を基にし,性能項目と対応した日照・採光環境を設定し,それらを満たす建築物形態のコントロールする方法の提案へと繋げるものである。 本年度は,曇天時における居室内部の採光環境に着目した作業を行った。主要な作業・結果として,先ず,建築物の建替え等を行うに際し,検討対象敷地に隣接する建築物の2階レベルの居室において,日中に電気に頼らず読書等のアクティビティを担保できる照度を設定した。次に,その照度と対応した室内天空率を確保するように建築物形態をコントロールするための測定点位置・周辺建築物群による複合採光阻害の考慮方法・採光性能水準・水準判定シミュレーション技術の一連を開発した。最後に,その性能規定型の形態規制手法に則り,建替えシミュレーションを行った。その結果,複合採光阻害を考慮しつつ採光性能水準を満たし,且つ,敷地内部で可能な限りの容積を確保可能な建築物形態を算出できることが確認できその有効性を示した。ここで用いた複合採光阻害を仮想的に考慮する方法の安全性を確認するためには,敷地毎に建替えを行った建築物が群になった場合に発生する複合採光阻害よりも,前者による複合採光阻害の影響が下回っていることを確認する必要があるが,このことについては次年度以降の課題点とする。
|
Research Products
(4 results)