2004 Fiscal Year Annual Research Report
発達性読み障害児の単語認知処理過程における脳機能に関する研究
Project/Area Number |
04J06133
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
細川 美由紀 茨城大学, 教育学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 発達性読み障害 / 単語認知 / 音韻処理 / 音韻意識 / 事象関連電位 / 聴覚情報処理 |
Research Abstract |
健常児・者を対象とし、行動指標および脳波の1種である事象関連電位を指標として、単語認知に必要な諸技能における発達的変化について検討した。この検討により、読み障害児における単語認知処理過程に関する基礎的知見を得ることを目的とした。 行動指標に関しては、読みの習得に重要であるとされる音韻処理技能と聴覚情報処理能力との関連性について検討した。その結果、ひらがな読みを習得して間もない小学校低学年の児童に関しては、音韻処理の中でも特に、音韻意識に関する課題成績が聴覚情報処理に関する課題成績と関連すること明らかとなった。この研究の要旨は、8月に北京にて開催されたXXVIII International Congress of Psychologyにおいて発表した。またデータの一部は学術機関誌「LD研究」に原著論文として掲載されている。 脳波データについては音声単語聴取時の音韻意識に関わる脳内中枢処理過程の発達的変化について、事象関連電位(ERP)を用いて検討した。その結果、異なる偽単語間の音韻的一致/不一致を反映するようなERP成分は確認されなかった一方、有意味単語聴取時において、ERP構成成分であるP3成分の振幅が発達にともない減衰する傾向にあることが確認された。この研究の要旨は9月にギリシャにて開催された12th World Congress of Psychophysiologyおよび11月に東京にて開催された第34回日本臨床神経生理学会において発表した。 以上の検討を踏まえ、さらに単語における音韻意識にかかわる脳内処理過程についてmismatch negativity(MMN)を指標とした予備実験を行った。計測したデータに関する検討は、平成17年2月〜3月にフィンランドにて開催されたヘルシンキ大学脳研究トレーニングコース(HSCN2005)に出席した際に行われた。
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Research Products
(3 results)