2004 Fiscal Year Annual Research Report
モデル植物シロイヌナズナの高DNAメチル化表現型を示す変異体の選抜と解析
Project/Area Number |
04J06163
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
佐瀬 英俊 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 特別研究員(SPD)
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Keywords | Epigenetics / DNA methylation / Arabidopsis |
Research Abstract |
本研究課題の第一年目であった今年度は、研究目的であるDNA高メチル化変異体の選抜のスクリーニング系の確立のための予備実験を行い、またその後当初の研究計画通りに実際の変異体選抜のスクリーニングを開始し、現在までに複数のDNA高メチル化変異体の候補を単離している。 変異体の選抜にあたってはArabidopsis thalianaの種子をEMS処理しゲノム中にランダムに変異が導入された植物体を用いた。またより多くの個体を効率よくスクリーニングするために複数のM2変異体から抽出したゲノムDNAをプールし、Methylation-Specific PCRで解析後positiveを示すような変異体を単離出来るよう条件検討を行い実験系を最適化した。今回作成されたEMS変異体のDNAプールのコレクションは本研究のみならずArabidopsisのゲノム動態の様々な変異体の解析に応用が可能なものである。本研究課題の目的は野生型ではメチル化されていないようなゲノム上の領域が異所的にhypermethylationを受けているような変異体を単離することにあるが、そうした変異体を効率的且つ網羅的に選抜するためにメチル化のtargetとなるゲノム配列については1)内在性トランスポゾンの近傍配列、2)microsatelliteなどのrepeat配列、3)通常遺伝子の転写が不活性なヘテロクロマチン領域に存在しながらも発現が観察されている遺伝子配列、などゲノム上に複数設定した。 このようなスクリーニング系を用いて、現在までにおよそ3000の独立したM2変異体株を解析し、30以上の候補を一次スクリーニングから単離し、解析を行っている。現在は遺伝子マッピングのための変異株と他系統との掛け合わせを行っており、今後系統間の遺伝的多型マーカーを用いて連鎖解析を行い原因遺伝子の同定を目指す予定である。
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