2005 Fiscal Year Annual Research Report
エントロピーの非加法性に由来する統計的複雑量の研究
Project/Area Number |
04J06225
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
山野 拓也 国際基督教大学, 社会科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | エントロピー / 非加法性 / 複雑系 |
Research Abstract |
本年度前半は、本研究課題となっている統計的複雑量に関連する、非加法的エントロピーの性質の理解を深めるため、情報理論が基礎とする確率分布により定義される情報量から出発して従来のエントロピー及び非加法的なエントロピーをも含むエントロピー族の生成法に関して考察した。エントロピーの安定性議論についての新しい知見を得た。これらの内容は8月にギリシャ・クレタ島で行われた国際会議NEXTsigmaphiにて発表し、Physica Aに論文として公表される予定である。また昨年度後半に取り組んでいたsuperstatisticsという温度場の揺動性を取り入れた統計力学形式について、昨年度末に国内で行われた国際会議CN-Kyotoで発表した内容を論文としてまとめる作業を行った。これらはProg.Theor.Phys.Suppl.として公表される予定である。 今年度7月からブレーメン大学理論物理に研究滞在してスピンモデルを用いた、計算機シミュレーションによるモデルのネットワーク的な性質などをモンテカルロシュミレーションによって社会経済ネットワークの立場から研究を進めた。 中間的な結果を2月にウィーンで行われた国際会議Fractal2006にて発表した。 社会経済物理の研究者による研究動向を知り今後の研究に生かすために9月にドイツ・ケンル近郊で行われたワークショップに参加した。スピンモデルのpersistence問題について行ったシミュレーション結果を本年度末にドレスデンで行われるドイツ物理学会にて発表する。
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Research Products
(2 results)