2006 Fiscal Year Annual Research Report
アビダルマ仏教における世親思想の再検討-特に唯識諸論書との関連を通して-
Project/Area Number |
04J06270
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
齋藤 滋 駒澤大学, 仏教学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | アビダルマ仏教 / パーリ仏教 / 大乗仏教 / 説一切有部 / 四縁 / 菩薩 / 六波羅蜜 / 仏教文学 |
Research Abstract |
本年度中は、4回の口頭発表をし、4本の論文が公表された。1、「『大乗大義章』におけるアビダルマ思想-有為の四相を中心に-」(東アジア仏教研究会定例研究会)を口頭で発表し、中国語への翻訳事情を考慮しつつ、『阿毘曇心論』の「刹那滅」を明らかにした。2、「仏教経済と術語-アビダルマとの関連を通して-」(駒澤大学仏教経済研究所例会)を口頭で発表し、仏教語のアビダルマ的解釈を提示し、アビダルマ思想や唯識思想の現代社会における意義を論じた。3、「初期アビダルマ仏教における因果論-四縁を中心に-」(駒澤大学仏教学会定例研究会)を口頭で発表し、アビダルマ思想と唯識思想の共通の術語である「縁」の起源とその展開を明らかにした。なお、本発表については、「初期アビダルマ仏教における因果論-四縁を中心に-」(『駒澤大学仏教学部論集』37号)として公表された。4、「インド仏教における菩薩論の展開」(日本宗教学会第65回学術大会)を口頭で発表し、大乗仏教とアビダルマ仏教における菩薩思想の相違が「摩詞薩」にあることを明示し、「摩詞薩」の起源と展開が仏教文学の中に存在することを明らかにした。さらに、アビダルマ仏教と唯識仏教の存在論について学会での発表を計画している。なお、昨年度に投稿した論文、「アビダルマ思想の展開と法数-部派仏教における十八界と六十二界-」(『東海仏教』51輯)、「アビダルマ仏教における霊魂の存在について」(『日本仏教学会年報』第71号)、'On the Concept of the Faculties (indriya) in the Theragatha : Some Remarks of the Origin of the Faculties (indriya) in Buddhism' (Nyaya-vasistha : Dr.V.N.Jha Felicitation Volume, Kolkata : Sanskrit Pustak Bhandar)が公表された。
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Research Products
(4 results)