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2006 Fiscal Year Annual Research Report

日本の農業関連企業による農産物調達の国際化と対日輸出産地の形成

Research Project

Project/Area Number 04J06311
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

後藤 拓也  九州大学, 大学院人文科学研究院, 特別研究員(PD)

Keywords開発輸入 / アグリビジネス / 輸入商社 / い製品 / 日本 / 中国
Research Abstract

本年度は,日本の農産物流通企業によって対日輸出産地の形成が見られた事例として,日本のい製品輸入商社によるい製品(畳表,ゴザ類)の開発輸入メカニズムを分析した。得られた知見は以下のように要約できる。
日本のい製品輸入量は1980年代半ばから急増し,輸入先の中国ではい製品の開発輸入が活発化するようになった。そこで,い製品輸入量の上位3社((株)トクラ,(株)イケヒコ,萩原(株))に着目し,各社がどのようなプロセスで中国へ進出したのかを検討した。各社とも戦前期からアジア市場との関係を有しており,そのことが1980年代以降の中国進出に少なからぬ影響を与えたことが判明した。また,各社ともい草栽培適地である浙江省に拠点を集約化するなど,調達戦略に共通点が多く認められた。さらに,各社の調達先所在地とい製品輸出産地の分布は空間的に一致しており,各社の中国進出が輸出産地の形成に大きく寄与していることが確認できた。
次いで,日本の輸入商社がどのようなメカニズムで中国の現地調達先を育成したのかを検討した。中国では生産資材の確保が困難であるため,各社とも日本から織機を持ち込み,補償貿易によって現地調達先との取引を開始したことが判明した。また,各社とも現地調達先に対して技術指導を定期的に行うなど,日本の国内産地から資材と技術を移転させることで産地形成を進めたといえる。
以上の分析結果から,本年度研究の結論として次の2点を指摘できる。まず第一に,日本のアグリビジネスが進出先を選定する場合,経済的要因だけでなく,歴史的要因,自然的要因,技術的要因など,複合的な要素が考慮されているという点である。そして第二に,日本のアグリビジネスが開発輸入を進める上で,国内産地との関係が非常に重要な意味を持っているという点である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2007 2006

All Journal Article (2 results)

  • [Journal Article] 日本における飼料企業の立地戦略とその変化2007

    • Author(s)
      後藤 拓也
    • Journal Title

      地理学評論 80巻・1号

      Pages: 20-46

  • [Journal Article] 輸入畳表急増下における熊本県い草栽培地域の再編成2006

    • Author(s)
      後藤 拓也
    • Journal Title

      人文地理 58巻・4号

      Pages: 337-356

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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