2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J06319
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田尻 義了 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 弥生時代 / 青銅器 / 生産 / 東北アジア / 鋳型 / 北部九州 / 近畿 / 朝鮮半島 |
Research Abstract |
研究目的(1)日韓青銅器鋳造関連遺物の比較検討、及び研究目的(2)鋳造関連遺物からの製作技術の復原・及び両地域における製作技術の比較を行うため、まず日本国内における青銅器生産について検討を行った。そこで、対象資料として、小形〓製鏡を素材として研究をおこなった。明らかにしなければならない問題点は2つあった。 ・問題点1 弥生時代北部九州における青銅器生産体制がどのようなものであったのかという点である。 ・問題点2 近畿地方における小形〓製鏡の生産について、北部九州産の小形〓製鏡との識別基準が曖昧である。 研究の具体的な実施方法 九州各地から出土する小形〓製鏡の調査総計30面以上 壱岐市教育委員会・長崎県教育委員会・佐賀県立博物館・唐津市教育委員会・鹿児島県埋蔵文化財センター 指宿市教育委員会などの諸機関 ・成果1 北部九州において複数の青銅器製作地が存在し、各製作地の生産量の時間的変遷と小形〓製鏡の文様構成から検討をおこない、生産体制が集約→分散→集約という変遷を示していることが明らかとなった。 ・成果2 近畿地方において出土する小形〓製鏡の文様構成の検討から、近畿産と北部九州産の製品の特徴を導き出し、識別基準を明確化した。 研究目的(3)鋳造実験による製作技術の復原に関しては、実験器材の選定と施設の選定をおこない、実験を実施する検討を行っている 研究目的(4)東北アジアにおける青銅器製作技術の伝播に関する検討については、中国出土の青銅器に残る製作技術を推定させる痕跡を検討した。 研究の具体的な実施方法 中国出土の青銅器を調査し、製作痕跡の検討をおこなう。調査対象資料 総計100点以上 ロサンゼルス郡立博物館・シアトルアジア美術館・サンフランシスコ博物館・中国社会科学院考古研究所 中国河南省博物館・中国山東大学博物館などの諸機関 これらの成果によって、日本国内における青銅器生産体制が明らかになり、今後、韓国・中国との比較検討が可能となった。
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Research Products
(2 results)