• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2005 Fiscal Year Annual Research Report

自己組織性を有する多核錯体の1次元集積化および物性の外場による動的変換

Research Project

Project/Area Number 04J06365
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

久米 晶子  九州大学, 工学研究院, 特別研究院(PD)

Keywordsアゾベンゼン / トリアゾール / 光配向
Research Abstract

前年度には、主に溶液中において、アゾベンゼンを含む脂溶性側鎖を導入したFe(II)トリアゾール錯体がアゾベンゼン部分のトランス・シス光異性化によりそのモルフォロジー及び集合構造、ならびにFe(II)中心の磁気的挙動を変換することを見出した。本年度においては、分子の空間配置がより固定化された固体中における光異性化について検討し、1次元鎖の配向を光によって駆動できることを見出した。合成したアゾベンゼン置換トリアゾール錯体はエーテル基を含む長鎖アルキル部分を持つため、固体中においても結晶化せず、構造的自由度が大きい。しかし、長鎖アルキル置換アゾベンゼン部分はメソゲンとして汎用的な構造であるため自発的に配向し、1次元鎖の幅に対応した層状構造をとることが粉末X線回折より明らかとなった。溶液からキャストしたサンプルはμmオーダーでの配向性を持たないが、偏光あるいは非偏光の可視光を照射すると電場の振動方向を避けてアゾベンゼン部位がマクロに配向することが赤外ならびに紫外可視スペクトルより分かった。またサンプル片の形態変化を観察すると、固体の体積は無配向トランス体>シス体>配向トランス体の順に減少し、可逆に変換することができた。このことは、アゾベンゼン部位だけでなく1次元鎖そのものが光電場に対して配向することで密にパッキングできるということを示している。
以上の研究をまとめると、エーテル基を含む長鎖アルキル鎖を1次元遷移金属錯体の周りに設計することで、溶液中、固体中ともに自由度と集合挙動をチューニングすることができ、さらにその部分に光官能基を導入すれば光変換が可能になることがわかった。光によるモルフォロジー変化および配向変化は、1次元遷移金属錯体という異方性と極めて関連する電磁気的特性を持つ材料にこのような空間的な制御方法が適用できるという点で意義深い。

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi