2005 Fiscal Year Annual Research Report
気孔孔辺細胞の青色光情報伝達系におけるカルシウムシグナリングの研究
Project/Area Number |
04J06373
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
原田 明子 九州大学, 大学院・理学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 気孔 / 孔辺細胞 / カルシウムシグナリング / 青色光 / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
気孔孔辺細胞においてCa^<2+>シグナルの下流で働く因子として、ソラマメ孔辺細胞にほぼ特異的に発現することが分かっているCa^<2+>結合蛋白質VfCBL1(Calcineurinβ-like protein)とVfCIPK1(CBL-interacting protein kinase)に注目した。まずこの二つの蛋白質についてBIACOREを用いた相互作用解析を行い、これらの蛋白質が結合することを確認した。また、VfCIPK1、VfCIPK1をベイトしたYeast Two Hybrid法により単離された蛋白質をコードする遺伝子についてそれぞれシロイヌナズナでのオルソログと考えられる遺伝子を探索した。その中でシロイヌナズナ孔辺細胞に発現しているものをRT-PCRにより選抜した。孔辺細胞での働きを調べるために、選抜した遺伝子のノックアウト植物の種子をソーク研究所から取り寄せ、それぞれの遺伝子がホモでノックアウトされている植物を確立した。 また、昨年度に引き続き、青色光による細胞内へのCa^<2+>流入についてCa^<2+>結合性発光蛋白質エクオリンを発現させた形質転換シロイヌナズナから単離した孔辺細胞プロトプラストを用いて調べた。細胞外Ca^<2+>が1mM,K^+が0.01mM以下では、青色光照射後約2.5分後をピークとするCa^<2+>流入が見られた。一方、細胞外K^+濃度が0.1mM以上では、Ca^<2+>流入は見られなかったが、K^+チャネル阻害剤存在下ではCa^<2+>流入が観測された。孔辺細胞では、青色光によって膜電位が過分極することで過分極依存性内向き整流性K^+チャネルが開いてK^+が流入することが分かっている。以上から、K^+チャネルが働いていないときには青色光照射下で過分極依存的にCa^<2+>は流入できるが、K^+チャネルが働いている生理条件では、K^+流入が優先し、Ca^<2+>は流入できないと考えられる。
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Research Products
(1 results)