2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規脂質ラフト局在分子Raftlinの抗原受容体シグナルにおける機能解析
Project/Area Number |
04J06416
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三浦 和子 (佐伯 和子) 九州大学, 生体防御医学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | ラフト / 脂質 / B細胞 / 受容体 / リン酸化 / カルシウム / DT40 / 遺伝子ターゲッテイング |
Research Abstract |
近年、細胞膜上のraftと呼ばれるマクロドメインがB細胞抗原受容体(BCR)シグナルの開始の場所として、B細胞活性化に重要な役割を果たしている事が示されてきた。B細胞におけるraft構成分子の役割を知る為に、我々はLC-ESI-MS/MS (liquid chromatography electrospray ionization tandem mass spectrometry)を用いてRaji細胞のraft脂質と共に精製されてくるタンパク質の同定を行った。これらのraft局在タンパク質のうち、新規タンパク質の一つをRaftlin(raft-linking protein)と命名し、機能解析を行った。RaftlinはSrcファミリーキナーゼと同様にN末端のGly2とCys3の脂肪酸修飾によってBCR刺激前よりraft中に局在し、BCR刺激によってBCRと挙動を共にしてパッチ状に集積した。B細胞DT40におけるRaftlin遺伝子の欠損は、LynやガングリオシドGM1といったraft成分の量を減少させ、逆にRaftlinの過剰発現はraftタンパク質の量を増大させた。更に、BCRを介したチロシンのリン酸化やカルシウムの動員は、Raftlinの欠損により減少し、過剰発現により増大した。これらの結果よりRaftlinがraftの形成及び維持、そしてBCRを介したシグナル伝達に重要な役割を担っていることが明らかとなった。さらに我々はジーンターゲティングの手法を用いてRaftlinノックアウトマウスを作成した。現在その表現型の解析を行っている。
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Research Products
(1 results)