2004 Fiscal Year Annual Research Report
持久的運動により活性化される骨格筋のシグナル伝達経路と骨格筋適応の関連性の検討
Project/Area Number |
04J06419
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
諏訪 雅貴 九州大学, 健康科学センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 持久的トレーニング / calcineurin / AMPK / 骨格筋 |
Research Abstract |
AMP-activated protein kinase (AMPK)やcalcineurinは持久的トレーニングによる骨格筋の収縮特性や代謝特性の適応を媒介するシグナル伝達因子と考えられている.本年度は,まずcalcineurin特異的阻害剤であるcycrosporine Aをラットに投与した時の骨格筋の代謝特性の変化を調べた.その結果,遅筋のヒラメ筋ではhexokinaseやpyruvate kinase, lactate dehydrogenaseといった解糖系酵素活性が上昇したが,citrate synthaseやmalate dehydrogenaseなどの酸化系酵素活性や糖輸挙担体glucoser transporter 4 (GLUT-4)のタンパク発現には変化が認められなかった.さらに細胞質の抗酸化系酵素であるCu/Zn-superoxide dehydrogenase (Cu/Zn-SOD)タンパク発現が上昇していたがミトコンドリアの抗酸化系酵素であるMn-superoxide dehydrogenase (Mn-SOD)タンパク発現の変化は見られなかった.一方,速筋の長指伸筋ではcycrosporine A投与の影響は見られなかった.これらのことから,calcineurinは遅筋において解糖能や抗酸化能を制御していることが示唆された.また,AMPK特異的活性化剤aminoimidazole carboxymide ribofranoside (AICAR)をラットに投与したり,45分間の持久走を行わせたところ,骨格筋のAMPKのリン酸化が生じていた.さらに,AICARを投与したところ,GLUT-4発現の上昇も見られた.これらの結果から,持久的トレーニングによるGLUT-4発現の増大にはAMPKの活性化が関与していることが示唆された.
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Research Products
(1 results)