2005 Fiscal Year Annual Research Report
持久的運動により活性化される骨格筋のシグナル伝達経路と骨格筋適応の関連性の検討
Project/Area Number |
04J06419
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
諏訪 雅貴 九州大学, 健康科学センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 持久的運動 / トレーニング / AMPK / 骨格筋 |
Research Abstract |
AMP-activated protein kinase(AMPK)は持久的トレーニングによる骨格筋の収縮特性や代謝特性の適応を媒介するシグナル伝達因子と考えられている.本年度は,まずAMPK活性化作用を有する可能性がある糖尿病改善薬メトホルミンをラットに投与し,骨格筋の代謝特製の変化を調べた.まず,ゾンデにてメトホルミンを経口投与すると5-6時間後に骨格筋AMPKのリン酸化が生じた.さらに,メトホルミンを2週間混餌投与すると骨格筋のhexokinaseやpyruvate kinase, citrate synthase, β-hydroxyacylCoA dehydrogenaseの酵素活性が上昇した.これらの結果から,メトホルミンには骨格筋のAMPKを活性化する作用があり,このことが代謝特性の改善に関与していることが示唆された. また昨年度の研究によりAMPKを活性化することが明らかとなったトレッドミルでの持久走を2週間行ったところ,骨格筋のPGC-1α発現が高まっており,糖輸送担体glucoser transporter 4(GLUT-4)のタンパク発現やhexokinase, citrate synthase, β-hydroxyacyl CoA dehydrogenaseなどの酵素活性が高まっていた.また,骨格筋のPGC-1α発言量はGLUT-4やTCA回路citrate synthase活性よりも脂肪酸酸化のβ-hydroxyacyl CoA dehydrogenase活性と強く関連していた.これらの結果から,持久的トレーニングにより骨格筋のAMPK活性化とPGC-1α発現の亢進を介して脂質代謝能を高める経路が存在することが示唆された.
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