2004 Fiscal Year Annual Research Report
ESRI・MRI融合型画像解析システムの開発と臨床応用に関する研究
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04J06586
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松元 慎吾 九州大学, 大学院・薬学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | フリーラジカル / 磁気共鳴 / 画像化 |
Research Abstract |
活性酸素種を初めとする生体内フリーラジカルが種々の疾患の発症や進展に関与していることが明らかとされてきている。またフリーラジカルを造影剤として投与した場合、そのESRスペクトル変化が体内のレドックス状態や酸素濃度などの情報を反映するため、"分子プローブ"あるいは"センサー"としての医療応用が期待されている。本研究では、生きた個体において生体内フリーラジカルの位置情報を得ることが可能な電子スピン共鳴画像(ESRI)と、組織の解剖学的情報を得ることが可能な核磁気共鳴画像(MRI)との融合型装置の開発を行っている。今年度は低周波(300MHz)で作動するparallel coil型ESR共振器と臨床用MRIの受信コイルを組み合わせたESR/NMR融合型共振器を完成させ、その性能の検証を行った。Parallel coil構造は軸方向に直交するRF磁界の透過性がよく、この構造のEPR共振器であればMRI用のクロスコイルやQDコイルとの干渉が少ないことが推測される。作製したESR共振器はNMRコイルとの融合においても感度の低下がなく、また撮像範囲におけるRF磁界分布の標準偏差は軸長方向で6.7%、横断面で2.5%と高い均一性が得られた。実際にnitroxyl radicalを含むファントムとマウスにおいて、ESRとMRIの両画像を1つの融合型共振器で取得することが可能となった。3つの位置マーカーを用いることによる両画像の重畳誤差は0.7mm以下であった。本研究で用いた300MHzという低い共振周波数であれば将来的にラットや、人の手足のように比較的大きな検体の撮像も可能となる。この研究成果はConcept in Magnetic Resonance B : Magnetic Resonance Engineeringへの掲載が確定している。
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