2004 Fiscal Year Annual Research Report
生体防御のサイトカインネットワークのダイナミックモデルと最適制御の数理的研究
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04J06631
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
首藤 絵美 九州大学, 大学院・理学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | JAK / STAT / ultrasensitivity / 頑強性 / HCV |
Research Abstract |
[1]マウスの実験に基づいて構築されたJAK7STAr経路の遺伝子・タンパク質動態のシミュレータ(Yamada et al.(2003))を数理的に解析したJAK-STAT経路はSOCS1を必要な期間必要な量だけ生産するシステムである(Yamada et al(2003))JAK-STAT経路では、IFN-gammaのシグナルによってSOCS1遺伝子転写が促されるが、合成されたSOCS1タンパクは自身のmRNA転写を抑制する.フィードバックループを含むダイナミクスを構築し、諸分子動態を明らかにした.また、マウスで実現されているJAK-STAT経路の仕組みは、シグナルのゆらぎや、反応係数のゆらぎに対して頑強なシステムであることがわかった.現在、論文を投稿中である. [2]アメリカLos Alamos National Laboratory Perelson教授の研究室は、ダイナミックスに必要なパラメータを実験データから算出し、それを用いて免疫細胞のシミュレータを作成し、重要な論文を多数発表しているが、同研究室を訪問し、その手法習得のための資料収集を行った. ペグインターフェロンα2bは、C型肝炎患者の治療に画期的な新薬であるが、その薬剤動態が従来の薬と比較して複雑なため、従来パラメータ推定に使われてきた数式を用いると、観察者がしばしば誤った推定値を得てしまう.本研究では、患者体内で起こる、ウイルスと細胞のダイナミクスに薬剤動態をとりいれた研究を行い、パラメータ推定における真の値と推定値の誤差を研究した.現在、論文を作成中である.
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