2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J06673
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三浦 大典 九州大学, 大学院・農学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 担子菌 / ヘム結合性タンパク質 / ヘム / 機能プロテオミクス / クエン酸シンターゼ / pathway-crosstalk |
Research Abstract |
本研究では、白色腐朽菌Phanerochaete chrysosporiumの100%酸素下における高いヘムタンパク質(ペルオキシダーゼ・シトクロムP450)合成能に着目し、細胞内ヘム管理機構の目指した、細胞内ヘム結合性タンパク質の網羅的探索を行っている。担子菌は通常グリオキシル酸経路とTCA回路をリンクさせたshortcut TCA-glyoxylate bicycleシステムを用いた、ユニークな一次代謝システムを利用している。一方、芳香族化合物が外的に与えられる事により、細胞質およびミトコンドリア内の代謝フラックスは大きく変化し、通常のTCA回路が活性化する事に伴い、同じくミトコンドリアに局在するヘム生合成経路が活性化する。本研究においてヘム結合性タンパク質としてTCA回路に関与するミトコンドリアクエン酸シンターゼ(PcCS)が同定された事から、本酵素に着目し、さらに詳細な検討を行った。組換えPcCSを大腸菌にて発現・精製し、キャラクタライズを行ったところ、示差スペクトルからヘムはタンパク質中のヒスチジン残基に結合することが明らかとなった。また、基質であるオキサロ酢酸に対して非競争阻害、アセチル-CoAに対して競争阻害を示し、阻害定数はそれぞれK_<i OAA>=8.7μMおよびK_<i AcCoA>=5.8μMと、極めて低濃度である事が明らかとなった。ヘム生合成の最終反応はミトコンドリア内膜に存在するフェロケラターゼにより触媒される。フェロケラターゼおよびクエン酸シンターゼは共にミトコンドリアに局在するタンパク質である。従って、ヘムとクエン酸シンターゼの結合、およびヘムによるクエン酸シンターゼの阻害は生理学的な現象であると考えられ、このようなpathway-crosstalkは、1)合成されたヘムをタンパク質-ヘム複合体として不活性な状態に保つ、2)ミトコンドリア内のmetabolic flowを適正な状態に保つ、metabolic balance regulatorとして機能するという新たな代謝制御機構の存在を提案した。
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