2005 Fiscal Year Annual Research Report
量子不変量と普遍摂動的不変量(LMO不変量)の位相的意味付け問題の研究
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04J06720
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
栗屋 隆仁 九州大学, 大学院・数理学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 量子不変量 / 3次元多様体 / 結び目 / LMO不変量 / 幾何学 / 数理物理 / グラフ / 位相 |
Research Abstract |
1.通常のLMO不変量ではレンズ空間は完全に分類できないことが知られている。Low-dimensional Topology Seminar(京都大学数理解析研究所、6月2日)では、多様体Mとそれ内の結び目Kの対(M,K)へのLMO不変量の拡張を紹介し、それを用いてレンズ空間が分類できることを示した。 2.LMO不変量の上記とは別の拡張として、3次元多様体Mとスピン構造σの対(M,σ)の不変量の和に分離しようという試みがある。そのsummand全体の集合は、特にBetti数が1より大きな多様体に対しては、元の不変量より強力であろうと予想されている。量子不変量に対してはR.Kirby氏とP.Melvin氏、C.Blanchet氏、村上斉氏等により分解は成功している。量子不変量のある種の極限である摂動的不変量に対してはまだ成されていなかったのであるが、ごく最近、ある特別なクラスに対してスピン分解の摂動的不変量版が、定義された。残された問題はこれのLMO不変量版についてである。研究集会「結び目のトポロジーVIII」(早稲田大学、12月25日)、Friday Seminar on Knot Theory(大阪市立大学、1月20日)ではS.F.Sawin氏によるスピン3次元多様体に対するカービーの定理を用いてスピン3次元多様体の不変量を構成した。結果的にこれはLMO不変量そのものに一致してしまったのであるが、even link表示からLMO不変量の再定義を与える結果となった。
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