2005 Fiscal Year Annual Research Report
ガンマ線生成核反応を利用した核融合プラズマの温度診断法に関する研究
Project/Area Number |
04J06727
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中村 誠 九州大学, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | DT核融合プラズマ / イオン分布関数 / 高エネルギーイオン / ノックオン衝突 / 運動論的モデル / ガンマ線生成核反応 / 燃焼プラズマ診断法 |
Research Abstract |
今年度は、前年度までに提唱していた運動論的モデル方程式(Boltzmann-Fokker-Planck方程式)を精緻化した。さらに、我々以外の研究グループが提唱している運動論的モデルの妥当性の検証を行った。これらのモデルを利用し、前年度までに提唱していたγ線計測に基づくプラズマ診断法を再検討し、新しい応用の可能性を探った。具体的な検討内容は以下の通り。 1.Boltzmann-Fokker-Planck方程式を精緻化し、自己点火DTプラズマのパワーバランス条件も考慮に入れ、燃焼DTプラズマの燃料イオンの速度分布関数を評価した。3.5MeVα粒子との近距離弾性衝突により、燃料イオン分布関数の高エネルギー部に非Maxwellテイルが形成されることと、この形成は高エネルギー粒子の閉じ込め特性に大きく依存することが分かった。 2.上記の解析に基づき^6Li+D,^6Li+T反応で発生するγ線の発生率を評価し、我々が提唱してきたγ線計測に基づくイオン温度・燃料密度比診断法を再検討した。高エネルギー粒子の閉じ込め特性が解明されなければ、本診断法を用いることは難しいことが分かった。 3.別の運動論的モデル(P.Helander et al., Plasma Phys.Control.Fusion,35(1993)363)には、背景プラズマの熱運動が無視されている。この近似の妥当性を評価した。トカマク型核融合炉級のプラズマでは、この近似は妥当であることが分かった。 4.^6Li(t,p)^8Li^*反応で発生する0.981MeVγ線を用い、ノックオントリトンとα粒子の存在とそれらの閉じ込め特性を診断することを提唱した。このγ線は、0.6MeVから1.8MeVのノックオントリトン、2.0MeVから3.5MeVのα粒子の存在を強く反映すると考えられる。
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Research Products
(3 results)