2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J06731
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
重光 亨 九州大学, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 二重反転形軸流ポンプ / 最適設計 / 内部流れ / 翼列間干渉 / 翼負荷 |
Research Abstract |
軸流ポンプのコンパクト化,高比速度化への要求に対し二重反転形軸流ポンプを考案しその性能上の優位性を実験的に実証した.しかし内部流れの複雑さゆえに最適設計指針を得るには至っていない.そこで本年度は最適設計指針に対する資料の充実と高性能化への探求を目的に数値解析を行った.また内部流れの詳細な調査を目的にLDVによる子午面流れの計測を行い,さらには翼列間干渉に関する調査を行うために瞬時の壁面静圧分布を計測した. 本年度得られた知見は以下の通りである. 1.二重反転形軸流ポンプの後段動翼設計パラメーターが性能に及ぼす影響に注目し,翼弦長,翼厚,翼形状,食違角を変更しその性能に対する影響について調査を行った.その結果,翼弦長を増加させると揚程は安定した右上がり特性を示すことがわかり,翼厚の増加は摩擦損失を増加させるために強度上の許容値内で薄翼化することが高効率設計に有効であることが明らかとなった. 2.二重反転形軸流ポンプの高効率設計には内部流れの詳細な把握が極めて重要であるため,LDVにより子午面流れを計測した.その結果,低流量域では前後段動翼先端Tip側・前段動翼後縁Hub側に逆流域が確認でき,この逆流域の抑制が低流量域の性能改善に重要であることがわかった. 3.二重反転形軸流ポンプは二軸構造の複雑な軸系を有するため,その安定・高性能運転には翼列間干渉を明確に捉えておく必要がある.そこで反転する前後段動翼の翼位置変化に伴う圧力場の変動を計測する機構を開発し壁面静圧分布を計測した.その結果,前段動翼は後段動翼の回転に伴い負荷変動を生じることがわかり,後段翼負荷の低減は前段動翼負荷変動の低減に有効であることが明らかとなった. 来年度は数値解析による更なる調査を行うと共に,本年度得られた知見に基づき新たに後段動翼を設計し高性能設計探求を目的に性能試験を行う予定である.
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