2005 Fiscal Year Annual Research Report
情報蓄積デバイスとしての分子マトリクス(行列)の構築
Project/Area Number |
04J06761
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
杉本 貴裕 九州大学, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 水素結合 / 分子錯体 / マトリクス(行列) / 配列情報 / 色素 |
Research Abstract |
1.緒言 これまでに我々は不斉触媒として知られるPYBOX配位子が第二級アンモニウム塩と錯体形成することで、直交型の分子錯体を生成することを明らかとしている。本研究ではこの分子錯体を利用して環状錯体マトリクス(行列)を形成し、この錯体構造中に導入した官能基(分子)配列情報を光により読み出すことが可能な情報蓄積デバイスの構築を検討する。 2.実験 前年度までに、PYBOX配位子および第二級アンモニウム塩の二量化化合物の錯形成により、マトリクスの生成を確認している。本年度は、マトリクス中に色素部位を導入し、配列情報を読み出すことを検討した。 3.結果と考察 色素を導入したPYBOX二量体を合成し、同定を^1H-NMRおよびMALDI-TOF-MSスペクトル測定により行った。続いて、色素導入PYBOX二量体と第二級アンモニウム塩多量体の錯化挙動の検討を行った。両化合物の混合溶液について、^1H-NMRスペクトルおよびCSI-MSスペクトル測定を行った結果、色素導入PYBOX二量体もこれまで同様に目的のマトリクス構造を生成可能であることが明らかとなった。さらにUVスペクトル測定を行った結果、色素導入PYBOX二量体と錯体形成させる第二級アンモニウム塩の錯化部位の数n(n=1〜3)により、それぞれ特有のスペクトルを与えることが明らかとなった。 以上本年度の研究により、色素導入PYBOX二量体と第二級アンモニウム塩多量体を混合することで環状錯体マトリクス(行列)構造の構築が可能であることが明らかとなった。また、マトリクス中における色素の配列数(情報)をUVスペクトルにより読み出すことに成功した。
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Research Products
(1 results)