2004 Fiscal Year Annual Research Report
情報蓄積デバイスとしての分子マトリクス(行列)の構築
Project/Area Number |
04J06761
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
杉本 貴裕 九州大学, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 水素結合 / 分子錯体 / マトリクス(行列) / 配列情報 / 色素 |
Research Abstract |
1、緒言 これまでに我々は不斉触媒として知られるPYBOX配位子が第二級アンモニウム塩と錯体形成することで、直交型の分子錯体を生成することを明らかとしている。本研究ではこの分子錯体を利用して環状錯体マトリクス(行列)を形成し、この錯体構造中に導入した官能基(分子)配列情報を光により読み出すことが可能な情報蓄積デバイスの構築を検討する、 2、実験 まずはじめに、マトリクス構造を構築するためにPYBOX配位子および第二級アンモニウム塩を二量化した化合物をそれぞれ舎成した。続いて、両化合物を混合することで、マトリクスが生成しているかどうかを^1H-NMR、CSI-MSスペクトル測定および単結晶X線構造解析により検討した。 3、結果と考察 合成した一連の化合物の同定は^1H-NMRおよびMALDI-TOF-MSスペクトル測定により行った.続いて、PYBOX二量体と第二級アンモニウム塩二量体の錯化挙動の検討を行った。岡化合物の混合溶液について、^1H-NMRスペクトル測定を行った結果、両化合物の生成する錯体の化学量論比が1であることが明らかとなった。また、CSI-MSスペクトル測定を行った結果、目的のマトリクス構造に由来する分子量ピークが実際に検出された。さらに錯体の単結晶を作製し、単結晶X線構造解析を行った結果、目的とする環状錯体であるマトリクス構造が生成していることが明らかとなった。 以上本年度の研究により、PYBOX二量体と第二級アンモニウム塩二量体を混合することで環状錯体マトリクス(行列)構造の構築が可能であることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)