2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J06937
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Research Fellow |
越中 敬一 新潟医療福祉大学, 医療技術学部・日本学術振興会特別研究員 PD
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Keywords | 筋グリコーゲン / 高脂肪食 / ラット / 骨格筋 / musclin / G0 / G1 switch protein / 糖取り込み / インスリン感受性 |
Research Abstract |
グリコーゲンローディングや高脂肪食摂取にともなって生じる細胞内エネルギー過剰状態を骨格筋が感知すると、何らかの遺伝子発現が生じ、その遺伝子産物がインスリン感受性低下を引き起こす可能性がある。我々は、その候補遺伝子として、musclinとG0/G1 switch proteinに着目した。 Musclinは、インスリン作用を阻害する骨格筋由来内分泌因子であり、絶食によるエネルギー枯渇にともない発現が減少し、逆に摂食によって増加することが報告されている。本研究でも、ラットに18時間の絶食を負荷することによって、上腕のtriceps筋におけるmusclin mRNA発現量が34%減少することをRT-PCR法によって確認した。一方、絶食ラットに運動を負荷し、その後、糖質食を4,8時間と再摂食させると、グリコーゲン超回復にともない時間経過でインスリン感受性が低下するが、このとき、musclin mRNA発現に有意な増加はみられなかった。また、ラットに4週間の高脂肪食を摂取させると筋のインスリン感受性が低下するが、この際、triceps筋においてmusclin mRNA発現量の変化はみられなかった。これらの結果は、musclinがグリコーゲン超回復や高脂肪食摂取にともなう筋のインスリン感受性低下に関与していない可能性を示す。 G0/G1 protinはPPARαの発現を介してインスリン抵抗性を惹起する可能性があるが、運動と糖質食摂取後の時間経過でみると、インスリン感受性低下に先んじて、G0/G1 protein mRNA発現が増加していた。しかし、高脂肪食摂取によって遺伝子発現は変化しなかった。このようにG0/G1 proteinがグリコーゲン超回復筋におけるインスリン感受性低下に関係している可能性が示唆されるが、高脂肪食摂取によるインスリン感受性低下には関わっていないものと推測される。
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