2005 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカ系オマーン人のネットワークおよびアイデンティティをめぐる社会人類学的研究
Project/Area Number |
04J06959
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Research Institution | Sophia University |
Research Fellow |
上原 真由子 (大川 真由子) 上智大学, 外国語学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | オマーン / 移民 / ネットワーク / アイデンティティ / エスニシティ / ザンジバル / 人類学 |
Research Abstract |
本研究は、1970年以降東アフリカからオマーンに帰還し、現在政治・経済的に高い地位を占めているにもかかわらず、オマーン研究においてその存在を等閑視されてきた「ザンジバリー」と呼ばれるアフリカ系オマーン人の総合的研究を目指している。本研究はこれまで人類学において展開されてきた民族論、エスニシティ論、ナショナリズム論をふまえ、アフリカ系オマーン人のネットワークとアイデンティティに関するデータの深化をはかるとともに、彼らのオマーン社会における位置づけを試みる。そして最終的にはアフリカ系オマーン人の民族誌を記述することを目的としている。 上述の目的に則し、本年度は、収集済みの第一次資料の整理と分析を進めつつ、アフリカ系オマーン人のオマーンにおける社会・文化的な適応のあり方と、自分たちのエスニック・アイデンティティをいかに認識しているかという点などを中心に考察を進めた。そして8月30日から9月17日までの19日間、オマーンの首都マスカットにて現地調査を実施した。スルターン・カーブース大学図書館で資料収集する傍ら、同大学において関連する主題を研究するアル=マフルーキー教授やサギールーン教授と情報交換を行った。それと並行し、宗教ワクフ省および教育省、内務省にてアラビア語、スワヒリ語文献資料を収集し、宗教教育、エスニシティ、移民の帰還に関する、インタビューを中心とした補足調査を行った。帰国後は、上智大学アジア文化研究所を中心に、オマーンと東アフリカ間の移動に関する歴史資料を収集し、調査データをもとに、成果を論文化し、いくつかの場で口頭発表をした。
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Research Products
(2 results)