2005 Fiscal Year Annual Research Report
結び目による3次元多様体の構成方法と分類理論の幾何的研究
Project/Area Number |
04J06969
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
堤 幸博 上智大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 結び目 / ザイフェルト曲面 / デーン手術 / 分岐被覆 / アレキサンダー多項式 |
Research Abstract |
結び目とは3次元球面内に埋め込まれた単純閉曲線であり、デーン手術とはその正則近傍を入れ換えて新しい3次元多様体を作る操作のことである。デーン手術にて位相同型な多様体が生成されるとき、多くの結び目の不変量は一致する。当研究ではそれらの結び目を区別を行うために2重分岐被覆空間の不変量を中心に調べ、とりわけ2重分岐被覆が整ホモロジー球面になる場合を重点的に調べた。それらは強n-自明という概念にも応用が考えられ、これらの研究結果は昨年8月中国で行われた国際会議・スクールで発表を行った。 また、種数1のファーバー結び目は三葉結び目と八の字結び目の2種類しか存在しないことが良く知られているが、今回、同じアレキサンター多項式を持つ種数2以上のファイバー結び目の無限列を、2重分岐被覆空間の不変量のキャッソン不変量の違いを用いて構成した。この研究成果は今年1月にニュージーランドで行われた研究集会にて発表を行った。 種数1のザイフェルト膜の枚数に関する研究は来年度も引続き行うよう予定であり、今年度中には種数が2以上の場合との顕著な違いとして、ザイフェルト膜の外部の基本群が自由群になるものと外部に全測地的境界をもつ双曲構造が入るものを同時に許容するものの構成方法を結果として得ることが出来た。この研究に付いては順次論文にまとめ、研究集会で発表を予定しているまた、この研究で得られた技法を用いていくつかの結び目のクロスキャップ数を決定した。これに関しては昨年度12月に早稲田大学で行われた研究集会にて発表を行い、論文にとりまとめ投稿を行った。
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