2006 Fiscal Year Annual Research Report
北部タイにおけるHIV/AIDS感染者グループに見るアイデンティティ形成過程
Project/Area Number |
04J06995
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
日野 智豪 上智大学, 外国語学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | タイ / 地域研究 / ジェンダー / 医療人類学 / 病い(illness) / HIV / AIDS / 住民組織 / アイデンティティ |
Research Abstract |
1.研究の目的 本研究の目的は、タイ王国チェンマイ県周辺(サンカムペーン郡、メーオン支郡を基点とする)を調査地としたうえで、北部タイの地域社会内部におけるHIV/AIDS感染者グループの実践をとおして、感染者の位置づけを医療人類学的、および、ジェンダー論的分析により明らかにすることである。本研究は(1)「個々」のHIV/AIDS感染者のアイデンティティ形成過程、(2)「北部タイ」という地域性、(3)HIV/AIDSという「病気」の特殊性という三つの側面に依拠して進められる。 2.研究実績 本園度は前年度の海外調査(文献調査、フィールド調査)の結果をまとめ、日本保健医療社会学会(発表タイトル「『医療者』-『患者』間の権力ゲーム-北部タイにおけるHIV/AIDS治療をめぐって」)、日本文化人類学会(発表タイトル「『文化としての病い』再考-北部タイ、チェンマイ県に暮らすHIV/AIDS感染者を事例として-」)において口頭発表をおこなった。そして、これらの学会活動での国内の研究者との意見交換を踏まえたうえで、タイでの調査、参与観察、アクション・リサーチ、個別インタビューを含む)を約6ヶ月間実施した。 近年の北部タイでは感染者の組織化は個々人の自律を促し、その延長線上に感染者同士の再婚が見受けられたが、結婚の生産的側面としての出産も危険はともなうもののなされるようになりつつある。そこで、本年においては女性感染者の出産をめぐる意思決定過程を女性の医療化という医療人類学的論点に照らし、女性感染者のアイデンティティ再構築という視座から検討することに重点を置いた。
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