2004 Fiscal Year Annual Research Report
戦前保育科学と困難児・障害児保育の研究-総力戦と国民保育論の成立を中心に-
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04J07136
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| Research Institution | Tokyo Gakugei University |
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Principal Investigator |
河合 隆平 東京学芸大学, 教育学部, 特別研究員PD
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| Keywords | 国民保育論 / 困難児・障害児保育 / 保育科学 / 保育問題研究会 / 城戸幡太郎 / 三木安正 / 恩賜財団愛育会 / 愛育研究所「異常児保育室」 |
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| Research Abstract |
1、本年度は上記の研究課題にそって論文執筆を行い、以下の三本の論文を投稿して受理された。
(1)戦前における愛育研究所「異常児保育室」の開設と障害児保育実践研究の検討-保育者・小溝キツの知的障害児保育実践を中心に-、『発達障害研究』日本発達障害学会、第26巻1号、52-63頁。(2)戦前の恩賜財団愛育会愛育研究所「異常児保育室」と知的障害児保育実践の展開、『東京学芸大学紀要』第55集(第1部門 教育科学)、179-199頁。(3)戦前の保育科学・国民保育論と戦後障害児保育の課題-戦後の愛育研究所「特別保育室」の実践を中心に-、『社会事業史研究』社会事業史学会、第33号(印刷中)。
これらの論文をもとに、博士学位論文「戦前における国民保育論と困難児・障害児保育の研究-総力戦体制下の保育科学の動向を中心に-」(東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科、2005年3月)を執筆した。本論文では、戦前の保育科学運動が総力戦体制下の改革機運に乗じながら、乳幼児の発達・生活課題の解決と国民教育の基礎的階梯に相応した体系的な保育システムを創出する国民保育論の構築に取り組むとともに、従来の保育実践や理論が積み残してきた困難児・障害児保育問題の科学的究明と保育実践の確立に向かったこと、そこでは総力戦下の保育困難児・障害幼児の問題を国民保育全体の共通性・普遍性において究明することにより、困難児・障害児も含めた全ての幼児の保育困難・ニーズに即しながら、保育問題の拡大深化と実践・システムを具体化していくという新たな保育研究が志向されていたことを解明した。
2、現在、上記研究課題にそって、以下の論文を投稿中である。
(1)戦間期の児童保護事業と総力戦体制下の母子愛育事業の歴史的位相-三田谷啓の児童相談・育児啓蒙活動を中心に-、『特殊教育学研究』日本特殊教育学会。(2)戦前における三木安正の国民保育論と困難児・障害児保育実践論、『発達障害研究』日本発達障害学会。(3)総力戦体制下の倉橋惣三の国民幼稚園構想と保育困難児問題-幼児教育の一元化・大衆化の視座から-、『特殊教育学研究』日本特殊教育学会。
3、研究課題にそって研究をすすめ、以下の二回の学会発表を行い、指導・助言を仰いだ。
(1)戦前の保育科学・国民保育論と戦後障害児保育実践の課題-戦後における愛育研究所「特別保育室」の実践研究を中心に-、日本教育学会第63回大会(於北海学園大学)、平成16年8月。(2)総力戦体制下の倉橋惣三の国民幼稚園構想と保育困難児問題-幼児教育の一元化・大衆化の視座から、日本特殊教育学会、第42回大会(於早稲田大学)、平成17年9月。
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