2005 Fiscal Year Annual Research Report
近代日本の中等教育知識の社会的構成に関する歴史社会学的研究;科学教育を事例に
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04J07142
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
荒川 英央 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 近代化 / 知の制度化 / 教育知 / 知の社会的配分 / 利害集団 / 知識社会学 / 理科教育史・科学教育史 / 教育知の選択・編成 |
Research Abstract |
本研究の目的は、近代日本において学校で教えられるべき知識(「教育知識」)の選択・編成に社会的な利害関心や価値選択がいかに反映されてきたかを、初等・高等に比べて利害関心の交錯が著しかった中等レベルに焦点化し、科学系の教科を主たるフィールドとして歴史的・実証的に明らかにすることである。具体的には、中等レベルの学校種によって、科学系の教科書の内容にどのような違いがあったか、そこに執筆者の諸特性と関わりがみられたか、また、科学教育に関して世論や外部社会がどのように認識していたか等を探ることで、日本の近代化過程における知と社会集団の関係について理論的枠組みの構築をはかることをねらいとしている。 この目的のもと、前年度から引き続き実施した作業のほか、今年度は下記の作業を行った。 1 地域的な教育要求の分析 東京・埼玉・宮城の学校文書・行政文書を収集・データベース化・比較分析し、地方紙や府県会議事録・行政文書・学校設置願・住民の請願書、また当該地域の人口動態、納税や土地所有や労使関係等に関する各種統計資料から、地域諸集団の教育要求を明らかにする作業に着手した。 2 科学教育に関わる新聞・雑誌記事の分析 世論が科学教育に何を期待したのかをとらえるべく、新聞・教育雑誌・科学雑誌から科学教育に関わる記事・論考を収集・データベース化し、論者や媒体の違いによる差異に配慮しつつ分析した。 3 科学教育上の重要人物や技術者の評伝等から、科学教育関係者集団の多面的な理解の深化を試みた。 4 先行研究の整理と理論の精緻化 教育社会学をはじめ、科学社会学、歴史社会学、科学史・技術史、社会経済史、社会史などの関連分野の先行研究の収集・整理の徹底をはかり、知識の「使用」を射程に入れた理論の精緻化を試みた。
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