2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造粒子を用いた結晶・準結晶の構造と相転移に関する系統的研究
Project/Area Number |
04J07384
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
城戸 修 立命館大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | ナノ粒子 / 準結晶 / 電子顕微鏡法 / 構造相転移 / 熱分析 / サイズ効果 |
Research Abstract |
ガス中蒸発法を用いて作成した金属・準結晶ナノ粒子の相転移機構について、透過型電子顕微鏡および示差走査型熱量計を用いて研究を行っている。これまでにin-situ観察を用いたナノ粒子の相転移温度決定と相転移における粒子の形態変化を同時に観察する手法を確立した。 アドバンスドガス中蒸発法を用いることによって、3元系準結晶ナノ粒子(Al-Pd-Mn系、Al-Cr-Si系、及びAl-Cu-Fe系)の創製に成功した。一般に、これらの元素からなる準結晶は熱力学的安定相であるとされている。準結晶ナノ粒子の安定性がサイズ効果によってどのように変化するのかを今後調べていく予定である。そのためには、準結晶ナノ粒子の生成率を現在よりも大幅に高めることが課題である。また、準結晶ナノ粒子は水素吸蔵合金としての応用が期待されているが、まだ実用化には至っていない。作成した準結晶ナノ粒子の水素吸蔵量も今後調べていく予定である。 δ-Crやβ-Mnナノ粒子のように、ガス中蒸発法で作成した金属微粒子には、バルクの高温相やナノ粒子特有の準安定相が生成することがある。Coナノ粒子においては、バルクの高温相であるFCC-Coナノ粒子が生成することが知られている。これは、直径が40nm以下のときには安定相として存在すると報告されているが、一方では準安定相であると報告された例もある。我々はこの粒子の転移機構を透過型電子顕微鏡で調べるために、高度に分散したCoナノ粒子をRFプラズマを用いて作成している。まだ分散性と粒子サイズ制御に課題が残っているが、今後これらの課題をクリアし、相転移温度のサイズ依存性と転移における粒子の形態変化について調べていく予定である。
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Research Products
(10 results)