2004 Fiscal Year Annual Research Report
単称名辞の意味論における四次元メレオロジーを含む理論の検討
Project/Area Number |
04J07442
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小山 虎 慶應義塾大学, 文学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 四次元主義 / 現在主義 / 二つの四次元主義 / 関係論法 / 擬似真(quasi-trurh) / Truthmaker / 時制 / 四次元メレオロジー |
Research Abstract |
今年度は、主に四次元メレオロジーの基礎的な主張である四次元主義に対する現在主義の整合性について研究を行い、その結果について学会発表を行った。この発表に基づいた論文は学会誌に投稿する予定である。また、現在主義の維持可能性についての論文も作成し、来年度にこの論文に基づいた学会発表を行う予定である。今年度の補助金は、主に研究の効率化のためのパソコンおよびソフトウェアの購入と、上記の研究を遂行するための文献の購入費に充てられた。 1.四次元主義と現在主義の整合性については、平成16年10月の日本科学哲学会で「二つの四次元主義」と題する発表を行った。この発表では、(1)「四次元主義」と称される立場が二種類あり、両者が独立の主張であること、(2)この二種類を厳密に区別するならば、一方の「四次元主義」は現在主義と両立可能であること、(3)現在主義と整合的な「四次元主義」が四次元主義の問題点を回避するために示唆的であること、の三点を示した。また、この研究を遂行するに当たって、特に現代形而上学関連の文献を多数購入した。 2.現在主義の維持可能性については、論文「現在主義におけるTruthmakerの役割」を作成した。また、この論文に基づいた発表を平成17年6月に予定されている科学基礎論学会総会で「現在主義、時制、Truthmaker」という題で行う予定である。この発表および論文では、(1)現在主義の正確な定式化を行い、その上で(2)現在主義に対する最大の反論とされる関係論法(argument from relations)に対して、疑似真(quasi-truth)という概念を用いた対応が可能であることを示し、(3)そのためには、現在主義が利用可能なTruthmakerを示す必要があることを論じている。また、この研究を遂行するに当たって、特に時間論関連の文献を多数購入した。
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