2005 Fiscal Year Annual Research Report
単称名辞の意味論における四次元メレオロジーを含む理論の検討
Project/Area Number |
04J07442
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小山 虎 慶應義塾大学, 文学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 四次元主義 / 現在主義 / Truthmaker / 存在論 / 存在論的コミットメント / 存在量化 / メタ存在論 / 四次元段階説 |
Research Abstract |
今年度は、主に四次元主義メレオロジーの基礎的な主張である四次元主義の哲学的基礎に関する研究を行った。特に平成17年9月より米国ラトガース大学のサイダー教授と共同研究を行った。今年度の補助金は、主に共同研究を行うための米国への渡航費と、研究を遂行するために必要な文献の購入費に充てられた。 今年度は、まず、平成17年6月の科学基礎論学会において「現在主義、時制、Truthmaker」と題する発表を行った。この発表は、クワイン以来の存在論的コミットメントの基準を引き継ぎ、存在量化を存在することの基準とみなす限り現在主義に見込みはないことと、新たな基準としてTruthmaker原理を採用すれば、これまでにない現在主義の可能性が開かれることを論じた。近々、この発表に基づいた論文を学会誌に投稿することを予定している。この研究を遂行するに当たって、特に現代形而上学関係の文献を多数購入した。 サイダー教授との共同研究では、四次元段階説の詳細を明らかにすることができた。また、ラトガース大学滞在中に言語哲学、形而上学、および認識論のセミナーに出席し、いくつか新たな知見を得た。来年度はこれを元にした学会発表と論文の作成を予定している。この研究を遂行するに当たって、特に認識論、言語哲学関連の文献を多数購入した。 また、メタ存在論についての研究もサイダー教授と共同で行った。その成果として、Truthmakerの存在論的役割について論じた論文「Ontological Commitment and Truthmaker」を作成中である。また、この論文を元にして、平成18年6月の科学基礎論学会において「存在論におけるTruthmakerの役割」の題で発表を行うことが決定している。
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