2004 Fiscal Year Annual Research Report
重みつきグラフにおける重いサイクルの存在やRamsey問題に関する研究
Project/Area Number |
04J07558
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藤沢 潤 慶應義塾大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | グラフ / 重みつきグラフ / 閉路 / ラムゼー問題 / 内周 |
Research Abstract |
本研究は、一般のグラフの持つ性質と重みつきグラフの持つ性質の違いを「サイクル問題」「Ramsey問題」という2つの視点から解明することを目的としていた。本年度は2年計画の1年目にあたり、研究実績は以下の通りである。 ・サイクル問題に関して 一般のグラフにおいて、k-連結グラフには任意の指定したk点を通る長いサイクルの存在がDirac型次数条件によって示されている。本研究では、同様の事実が3-連結重みつきグラフにおいて得られることを証明した。すなわち、この問題に関して連結度の低いグラフにおいては一般のグラフと重みつきグラフで同様の性質が得られることが判明した。また、2年目の研究への足がかりとして内周の大きいグラフに着目し、そのようなグラフにおいてはハミルトン性に関わらず重いサイクルの存在が得られることを示した。これによって、連結度の高いグラフにおいてもその一部においては一般のグラフと重みつきグラフで同様の性質が得られることが期待される。 ・Ramsey問題に関して Ramsey問題を重みつきグラフにおいて扱うため、新たに「重みつきRamsey数」を定義した。この「重みつきRamsey数」を頂点数が5と6のグラフにおいて調べ、頂点数5のグラフにおいては一般のグラフと差異がないものの頂点数6のグラフにおいては5/7倍の差異が生じることが得られた。また、頂点数が十分大きいグラフにおいても考察し、Erdosの予想と関連する一つの予想を提起した。
|