2004 Fiscal Year Annual Research Report
液体金属MHD乱流に対応したLES乱流モデルの構築
Project/Area Number |
04J07567
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
三好 市朗 慶應義塾大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | LES / MHD / Spectral method |
Research Abstract |
今年の研究の目的は、独自に行ってきた液体金属を対象とした乱流の外部磁場印加による乱流の非等方化機構に関する理論的検討をもとに乱流解析の手法であるLarge Eddy Simulation (LES)に対応した乱流モデルを構築することにある。スペクトル法を用いたMHD一様乱流の直接数値計算により、MHD乱流におけるエネルギーの散逸過程に関する検討を行った。その議論を基に直流磁場及び交流磁場環境で液体金属に見られる電磁乱流現象の把握を可能とする新たなSGSモデルの構築を行った。高磁気Reynolds数MHD乱流における乱流モデル構築において重要な点は、運動方程式のローレンツ力の効果と、磁場の誘導方程式の非線形項の効果のモデリングである。二つの効果に対して個別にモデリングを行った。本研究で行ったモデリングの効果が顕著に現れるのは磁場に対するSGSモデルである。既存のSGSモデルには、流体の運動成分の高周波数領域における速度場と電磁場の非線形相互作用が低周波数領域に与えるAlpha効果が考慮されていない点に着目し、磁場の誘導方程式の非線形項の元となるOhmの法則の乱流起電力項にAlpha効果の影響を考慮した新しいDynamic SGSモデルを構築した。直接数値計算を行う際、速度場のデータが数GBにも及ぶ大規模計算となるためにスーパーコンピューターの利用が不可欠である。そこで本研究においては東京大学計算機センターのSR8000を用いて解析を行った。また現象解析から得られるデータを可視化し、視覚的に乱流場を理解することは重要であるため、大容量のメモリーを搭載したPCを購入し、独自にデータの加工を行った。所属研究機関で可視化ソフトは所有しているため今年度、主に必要となる経費は大型計算機利用料、PCの購入費であった。成果報告は論文投稿を中心に行い、現在査読中である。来年度には掲載される予定である。
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