2005 Fiscal Year Annual Research Report
レドックス応答型分子認識スイッング機能を目指したイミン環状オリゴマー
Project/Area Number |
04J07588
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Research Institution | Keio University |
Research Fellow |
金澤 洋彦 慶應義塾大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 環状イミン / 環化反応 / レドックス / 分子認識スイッチング / 分子機械 / コンホメーション制御 / 環状フェニルアゾメチン / カチオン-π相互作用 |
Research Abstract |
シクロファンは芳香環に基づく内孔を有しているために分子認識に応用されてきた。また、近年ではより高度な機能として外部環境に応答して可逆的に分子認識を制御する系が注目されている。本研究では、シクロファンを基本構造としてキャビティーをレドックスにより開け閉めできないかと考えて、代表的な芳香族レドックス高分子であるポリアニリンの基本骨格(パラフェニレンジアミン)に着目した。パラフェニレンジアミンは軸構造を有しておりパラ方向を軸とした自由回転が許容されるが、レドックスに付随して酸化されるとキノイド構造が生成し回転軸が固定される。シクロファンにうまくパラフェニレンジアミンを導入するとレドックス応答してキャビティーの開閉を可逆に制御できることが判明した。 環状キノンイミン4量体をベンゾキノン(アントラキノン及びデュロキノン)と芳香族アミン(4,4'-メチレンジアニリン)の脱水重合により合成した。得られた環状体はCV測定から可逆で安定なレドックス特性を有していた。酸化体及び還元体のそれぞれの単結晶を作成しX線結晶解析からそのコンホメーションを直接調べたところキャビティーの開閉が確認された。キャビティーのコンホメーションは溶液状態においても同様であることがNMR測定から判明した。また、キャビティーの開閉に基づいてゲスト分子(4-メチルピリジニウム)の取込がAll-or-Nothingに制御された。パラフェニレンは汎用性のある分子骨格であるので広く他の系においても利用できるものと考えられる。
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Research Products
(2 results)