2004 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類中枢神経系におけるNotchシグナルの時間・空間的制御の解析
Project/Area Number |
04J07593
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
神山 淳 慶應義塾大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Notch / レポーター遺伝子 / EGFP / アストロサイト / 神経幹細胞 |
Research Abstract |
Notchシグナルは哺乳類発生過程において重要な役割をすることが知られる。中枢神経系においてもNotchシグナルは特に神経幹細胞の未分化維持に必要であると考えられており、これは遺伝子改変動物を用いた知見から明らかになってきている。しかし、生体内においてNotchシグナルが時間空間的にどのように制御され、活性化されていることはあきらかではなかった。また、Notchシグナルに関わる因子を欠損した遺伝子改変動物は胎生初期に致死であることから発生の後期に産生されるアストロサイトにおける役割は今まで明らかでなかった。本研究ではNotchシグナルを可視化するレポーターを蛍光タンパク質を用いて開発した。このNotchレポーターは細胞、組織においてNotchの活性化に応答して蛍光を発することが分かった。さらにこのレポーターを用いて中枢神経系におけるNotchシグナルの神経幹細胞運命決定における役割を解析した。胎生中期中枢神経系においてNotchシグナルはラジアルグリアと呼ばれる細胞集団において活性化が見られ、さらにNotchシグナルが活性化した細胞は多分化能、事故副性能を持つ細胞集団であることが明らかとなった。さらに、胎生後期から生後に出現してくるアストロサイトの産生における役割を検討したところ、従来の知見とは異なり、Notchシグナルは未熟なアストロサイトにおいて一過的に活性化され、成熟の過程においては必要ではなく、むしろ成熟を抑制することが解析の結果明らかとなった。
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Research Products
(1 results)