2004 Fiscal Year Annual Research Report
大規模空間で行われる動的なイベントを対象とした自由視点映像の生成・提示システム
Project/Area Number |
04J07615
|
Research Institution | Keio University |
Research Fellow |
稲本 奈穂 慶應義塾大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 自由視点 / 複合現実感 / 射影幾何 / 大規模空間 / スポーツ中継 / HMD / イメージベースドレンダリング |
Research Abstract |
スポーツイベントを対象にした任意視点画像生成技術を複合現実感の分野に応用し、観察者のいる現実環境内にスポーツの試合を再現する新しい枠組みを構築した。これによりHMDを装着した観察者は、あたかも目の前(テーブルや机の上等)で試合が行われているかのような感覚を得ることが可能となる。HMDを用いたスポーツ観戦を実現するためには、現実世界と仮想物体(ここでは選手やボール等に相当する)の位置合わせ、および観察者の視点位置の計測が必要となる。本手法では次に述べる手法によりこれらの解決を図った。視点位置の決定においては、磁気センサやマーカなどを用いず、HMDに装着されたカメラで撮影される画像列から、自然特徴を抽出し、それをもとに位置計測する手法を考案した。また位置合わせに関しては、カメラ間に成り立つ射影幾何を利用し、イメージベースで幾何学的整合性の問題解決を図る手法を確立した。従来は、現実世界と仮想物体との間で3次元空間の対応付けが必要であったが、本研究により両者の3次元形状を考慮せず、2次元画像のみから位置合わせすることが可能となった。したがって、3次元復元を行うことが難しい、大規模な空間で行われるスポーツシーンに関しても、現実世界に重畳して表示することが可能となった。これらのアルゴリズムを検証するため、実際にスタジアムに4台のカメラを設置し、複数の視点から撮影したサッカー映像に対して提案手法を適用したところ、観察者の視点位置に応じて、違和感のない自然な映像が合成できることを確認した。
|
Research Products
(3 results)