2005 Fiscal Year Annual Research Report
レーザアブレーションを用いた光導波路作製プロセスの開発
Project/Area Number |
04J07619
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岡東 健 慶應義塾大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | パルスレーザ堆積法 / PLD法 / 導波路レーザ / Nd:KGd(WO4)2 / si基板 / 光導波路 / 青色発光LED / 可視光応答型光触媒 |
Research Abstract |
これまで、光電子デバイスの集積化を目指したSi基板上への導波路型固体レーザの開発、また酸化亜鉛、酸化チタンなどの機能材料の研究開発を行ってきた。 Si基板と光導波路の融合は、オプトエレクトロニクスの発展に大きな期待が寄せられている。紫外発光デバイスは、高密度光記録、発光体の励起光源などに応用することができ、その開発は今後の情報化社会のニーズに非常に適合している。特にGaNの紫外発光素子が実用化されている現状を踏まえると、これからは、低コスト、高効率などの新規な利点が要求され、酸化亜鉛を用いたLEDデバイスには今後の研究に注目が集まる。酸化チタンは発光デバイスの応用として利用できる。下記に本年度行った研究成果を記載する。 (1)酸化亜鉛(ZnO)の高品質薄膜作製プロセスの開発 ZnOは、原材料の安く、高価なInを使うITO透明導電膜の代替、LEDの光の取り出し効率を向上させるための透明電極といった目的のもとに高品質薄膜作製の研究が進められている。本研究ではGaN/sapphire基板を用いて薄膜作製を行ったが、これまでに低温で堆積した薄膜をアニーリングすることで欠陥を減らし、さらに原子層が観測されるほどに平滑な表面を持つ薄膜が得られることを示した。成果はGaN-LEDの透明電極やZnO薄膜デバイスとして応用できる。 (2)窒素ドープ酸化チタン(TiO_2)の可視光応答特性の最適化 TiO_2を用い、光触媒の可視光応答化に関する研究を行った。ここでは窒素をドープすることでTiO_2に可視光応答性をもたせ、活性を最大にする窒素濃度を示した。 TiO_2は光触媒として利用されている材料であるが、禁制帯幅が約3.2eVであるために、可視光に対して光触媒反応を起こしにくい。光エネルギー利用効率の増大のため、可視光応答化の研究は数十年前から行われているが、TiO_2に窒素ドープを施すと可視光に対しても反応を起こすという報告が大きな注目を集めている。今回は、高い蒸気圧のためにドープが困難な窒素を制御性よくドープされたアナターセの成膜に成功し、ドープ濃度の最適化を行うことができた。成果は窒素ドープ型TiO_2の実用化において非常に重要な指標となる。
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Research Products
(2 results)