2004 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム塩基配列に基づいた細胞シミュレーションモデルの自動生成
Project/Area Number |
04J07634
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
荒川 和晴 慶應義塾大学, 大学院・政策・メディア研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ゲノム情報解析 / システムバイオロジー / 細胞シミュレーション / E-Cell |
Research Abstract |
ポストゲノムにおいては生命のシステムレベルの理解が中心的な課題の一つとして位置づけられる。一方で、細胞の動的なシミュレーションの為のモデル化にはネットワーク構造をモデルし、さらに定量的データと共に数学的にモデル化し、最終的にシミュレータが扱えるモデル記述言語によってプログラム化する必要があり、以上を全て手作業で処理している現状のままでは非常に時間がかかる作業となってしまう。一方で近年急速に発展しているトランスクリプトーム・プロテオーム・メタボロームなどのハイスループットな定量データ解析手法と既存の分子生物学的知見をシステムバイオロジーの観点から統合することである程度の自動化を行うことが可能である。本研究においては大規模動的代謝ネットワークをKEGG, EMBL, SWISS-PROT, COG, WIT, BioCyc, Brenda, CyberCell等様々な生物学データベースをゲノム情報に基づく形で自動的に参照し、モデル構築のひな形となるドラフトモデルを生成する。検証の結果、ゲノム情報に基づいて自動生成されたバクテリアの代謝パスウェイのネットワークに関してはKEGGデータベース記載のものは平均95%以上取得可能であり、動的モデルにおいては大腸菌のモデルのうち解凍系だけを抜き出して、in vitroで大腸菌から抽出した解凍系酵素溶液にglucoseを加えた後の中間代謝物質の時系列変動を測定したものと比較したところ、似た挙動が得られた。
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