2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J07637
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中原 仁 慶應義塾大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | オリゴデンドロサイト / 免疫グロブリンFc受容体γ鎖 / CD45 / Fynチロシンキナーゼ / ミエリン塩基性蛋白 / 脱髄疾患 / 髄鞘形成機構 |
Research Abstract |
中原は平成16年度研究開始時点において、髄鞘形成の信号伝達カスケードとして、免疫グロブリン受容体γ鎖(FcRγ)→Fynチロシンキナーゼ(Fyn)→ミエリン塩基性蛋白(MBP)の機構が存在することを同定していた。しかしながら、理論的にこのカスケードを成り立たせる為には、恒常状態では不活性化しているFynを活性化する何らかの機構が必要であると推察され、他の研究分野でFynの活性化(抑制性チロシン残基の脱リン酸化)を担うチロシンホスファターゼとしてCD45が提示されていたことから、CD45が髄鞘形成機構においても関与している可能性を推定していた。 平成16年度にはこのCD45がまず第一に髄鞘形成細胞であるオリゴデンドロサイト系列の細胞に発現していることを突き止め、次いで髄鞘形成に至る前の幼若細胞(オリゴデンドロサイト前駆細胞(OPC))が分化する段階において、分化と一致して発現が促進されることを解明した。In vitroのOPCにおいて、CD45が実際にFynの活性化を担っていることを証明し、CD45を欠損したOPCでは前述の髄鞘形成のカスケードが進行しないことを示した。更にCD45遺伝子を人為的に欠損させたマウス脳の解析より、In vivoにおいても、CD45が髄鞘形成に必須の役割を担っていることを示し、CD45欠損マウスの表現型がFyn欠損マウスのそれに類似することより、In vivoにおいてもIn vitroと同様に、CD45がFynの生理的活性化に必要であることを示した。この研究成果は国際誌上にて近日公開される予定である。
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Research Products
(1 results)