2006 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッドカーボンナノチューブの創製と量子ナノデバイス応用
Project/Area Number |
04J07644
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
生野 孝 大阪大学, 産業科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | カーボンナノチューブ / ハイブリッド構造 / 量子ナノデバイス / 機能性材料 / 被膜 / センサー |
Research Abstract |
カーボンナノチューブ(CNT)は独特の物理的・化学的特性をもつため多方面の分野から注目を集めている。特に、次世代電子デバイスの分野では、電界効果トランジスタ(FET)、単電子トランジスタ(SET)、生化学ナノプローブ、高感度ガスセンサー、ナノ配線など種々の応用が期待され実現に向かっている。このようなデバイス応用にCNTを用いる際、異種材料との複合化が重要な点である。すなわち、異種材料と組み合わせることにより、CNT独自の特性を引き出すことが可能となる。複合化の形態として、本研究では、CNT表面に異種材料を同軸状に被膜した構造に注目し、その創製とデバイス応用を目的とした。 本年度は、昨年度に引き続き、本研究で開発したパルス蒸着装置(PLD)によって作成した、種々異種材料がCNTへ同軸状被膜されたハイブリッドナノチューブ構造のデバイス応用を試みた。白金イリジウム薄膜をCNTへ被膜することで、昨年作成した走査トンネル顕微鏡用タングステン探針よりも高機能な特性を示すことを明らかにすることができ、高分解能で、半導体および金属表面を長時間安定して観察することができた。 他にも、単層CNTを用いたガスセンサーに関する研究を行った。単層CNTの半導体的特性を利用し、さらに欠陥導入を試み、5ppbという非常に高い限界感度をさまざまなガス種に対して達成することができた。このデバイスは、極めて清浄な空間での不純物感知や、対テロリスト用セキュリティデバイスへの応用が期待できる。
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Research Products
(4 results)