2004 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブを用いたナノCMMレーザトラッピングプローブについての研究
Project/Area Number |
04J07739
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
出島 秀一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | CMM / プローブ / ステージ / 精密位置決め / PSD / タッピングモード |
Research Abstract |
ナノCMMは,プローブと被測定物の相対位置を正確に決定する位置決め技術と被測定物を検出するプロービング技術が重要である. 高精度に位置決めを行う精密位置決めには,精密ステージが用いられる.本研究では,姿勢変化も含めた多自由度の位置・姿勢制御が可能なステージシステムを構築した.1つのセンサで多自由度を検出できるサーフェスエンコーダを位置センサとして用いたステージは,XYθ_Z3自由度の制御が可能ながら1段構造のシンプルな位置決め機構として実現できた.フィードフォワードと外乱オブザーバを含むPIDフィードバックシステムを解析的に検討し,高精度位置決めコントローラを実装した.レーザ干渉計(分解能0.63nm)を測定基準としてステージを評価したところ,50nmの値置決め分解能を持つことが明らかとなった. また,3次元計測にはプローブとして用いる微粒子の位置を高速・高精度に検出する必要がある.受光部に2次元的な位置を検出できる2次元PSDを用いることで,CCDによる検出に比べ高速・高感度に微粒子位置を検出できるようになった.レーザトラップに使用するYAGレーザをAODによって光路変調することで,微粒子を強制的に800nmの振幅で共振周波数の1.6kHzで振動させる.強制振動により,物理的・化学的な検出不安定要素を低減させ,AFMタッピングモードと同じ原理で被測定物への接触を高精度に検出することができた.振動の振幅と位相遅れを算出し,その変化から接触検出を行った.この原理により,プローブ自体の検出分解能50nm以上を確認した.これは,当初の研究計画で予定していた検出精度を大きく上回る重要な結果である. 以上,平面ステージ位置決め技術と高精度プロービング技術の2つの技術を組み合わせることで,3次元的な検出分解能50nm以上を実現できるナノCMMの可能性を確認した.
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Research Products
(3 results)