2005 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブを用いたナノCMMレーザトラッピングプローブについての研究
Project/Area Number |
04J07739
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
出島 秀一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | CMM / プローブ / PSD / タッピングモード / 粘性 / 安定性 |
Research Abstract |
光放射圧原理を用いたレーザトラップ技術をナノCMMに適用するために重要となるトラップ球の検出についての研究を行った.CMMへ適用する際に,プローブが測定物に接触したことを正確に検出する必要がある.本研究では,追加のレーザ光を用いてこれを検出することを試みた.He-Neレーザをトラップ球に照射し,球表面からの反射光を受光素子で検出することで,トラップ球の位置変化を検出する.2次元的な位置を検出するための受光素子として,4分割PD(Q-PD)と2次元PSD(2D-PSD)を試用した結果,検出感度はQ-PDが良いものの,10μm程度の素子間ギャップが検出精度を低下させることが分かり,2D-PSDを用いることとした.この結果,トラップ球の位置変化を数十nmの精度で検出できることが可能となった. 次に,このレーザトラップ技術をナノCMMに適用し,シリコンウエハ端面の形状測定を標準環境にて試みた.トラップ球を保持するYAGレーザをAODにより1.8kHzで偏向させ,トラップ球を800nm振動させるタッピングモードを採用し,CMMプローブとした.AOD入力信号と受光素子出力をロックイン検出することで,トラップ球の変位・位相変化を解析し,プローブ球の状態を把握した.振動させたプローブを試料に近づけると,物質間の空気粘性により共振周波数と位相が変化することが観察きれた.この変化を検出することで,トラップ球と試料間の相対位置が求められるので,ナノCMMへの適用が可能であると考えられる. レーザトラップ装置全体の安定性を評価した.トラップ装置と同程度の大きさを持つAFMの長時間にわたる温度ドリフトを測定した.10時間の測定で温度変化は±0.1℃以内であり,変位は300nm程度と非常に小さく,nmオーダーの測定に十分な安定性を有していることを確認した.本構造をナノCMMへ適用することで,同等の安定性を実現できると期待される.
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Research Products
(5 results)