2006 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブを用いたナノCMMレーザトラッピングプローブについての研究
Project/Area Number |
04J07739
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
出島 秀一 大阪大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | CMM / 3次元計測 / タッピングモード / AFM / ファンデルワールス力 / シミュレーション |
Research Abstract |
被測定物形状をサブミクロンの精度で,3次元的計測時に発生する誤差を実験的に調べた.本実験では,装置の都合上,タッピングモードAFMを用いた.カンチレバーはピエゾ素子を内蔵した自己検知型で,変位検出の光学部品が不要なため,コンパクトなサイズでタッピング方向を変化できるという特長がある.直径200μm(公称値)のルビー球を,カンチレバー振動方向がその表面に垂直となるように変化させながら測定した.AFMの測定可能体積は100μm×100μm×100μmと測定対象より小さいため,測定位置を変えながら複数回測定を行い,最終的にそれらを組み合わせて全イメージを構成した.各測定結果から最小2乗近似により,球中心と半径を計算し,得られた各球中心が一致するように重ね合わせ,半球状のルビー球表面イメージを求めた.この結果,カンチレバータッピング方向を水平に変えて測定した球側面の方が,垂直にタッピングする球上面より大きな誤差となることが確認された.これにより,タッピング方向(被測定物アプローチ方向)が被測定物表面の法線方向と一致する必要があることが確認された. 次に,被測定物の材質が測定に与える影響についてシミュレーションおよび実験により調べた.ナノCMMが検知するであろう微小力(ファンデルワールス力,反発力等)を実験条件を含めてモデル化した.隣接した異なる2つの物質からできた完全平面を測定する状況をシミュレートした.その結果,完全平面を測定したにもかかわらず,サブナノメートルレベルの段差形状が得られることが明らかとなった.その段差の大きさは被測定物質の物性に大きく依存した.実験的に実証するため,完全平面の被測定物を作成し,AFMにて測定した.この結果,段差形状が見受けられた.このように、ナノメートルレベルで3次元形状を測定する場合、被測定物の材質を十分考慮する必要があることが明らかとなった.
|
Research Products
(1 results)