2004 Fiscal Year Annual Research Report
生細胞における1分子操作・1分子観察技術の開発と情報伝達機構の解明
Project/Area Number |
04J07776
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 慎一 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 検出プローブ / 金微粒子 / 配列制御 / DNA / 自己組織化 / ビオチン-アビジン反応 / 原子間力顕微鏡 / 透過型電子顕微鏡 |
Research Abstract |
生細胞の代表的な生理的機能である増殖と分化を分子レベルで理解するためには分子レベルでの分子の操作・観察を行う必要がある。そこで本研究では1分子レベルでの計測・観察を可能とする装置及び検出プローブの開発を遂行してきた。本年度は主に金属微粒子による検出プローブの開発を中心に行ってきた。 金属微粒子は入射光による発光波長(色)がそのサイズに依存するため、単一の材料で幅広い波長の光を発光させることが可能である。また従来の蛍光分子で起こる退色などの問題も無いため、新しいプローブとしての応用が期待されている。そこで金微粒子を新しいプローブとして応用するために、金微粒子による生体高分子の修飾および配列制御について研究を行った。 金微粒子の配列制御を行うために、本研究ではDNAの相補性と自己組織化を利用した。鋳型となるDNAの合成は100塩基のDNAを酵素反応により連結させることで行った。出発物質として用いたこの100塩基のDNAは金微粒子で標識した短鎖DNA(18塩基)と特異的にハイブリダイゼーションできるように、2箇所において相補的な配列を有している。反応後、得られたDNAは100から1000塩基の間で様々な長さを有しているため、長さをそろえるために電気泳動及び電界溶出によりDNAの分離・精製を行った。一方、金微粒子によるDNAの修飾はビオチン-アビジン反応を利用することで行った。ビオチン分子は特異的にアビジンと強い結合を形成するため、アビジンで修飾した金微粒子(1nm、5nm)をビオチンで修飾した短鎖DNAと生理食塩水中で反応させることにより金微粒子-DNAを調整した。最後に合成した鋳型DNAと金微粒子-DNAを先ほどとは別の生理食塩水中で混合し、アニール処理を行うことで金微粒子の配列を行った。金微粒子の配列については原子間力顕微鏡及び透過型電子顕微鏡を用いて確認した。
|
Research Products
(4 results)