2006 Fiscal Year Annual Research Report
生細胞における1分子操作・1分子観察技術の開発と情報伝達機構の解明
Project/Area Number |
04J07776
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 慎一 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 検出プローブ / 半導体微粒子 / 配列制御 / DNA / 自己組織化 / 原子間力顕微鏡 / 酵素反応 / 蛍光顕微鏡 |
Research Abstract |
【緒言】生細胞の代表的な生理的機能である増殖と分化を分子レベルで理解するためには分子レベルで分子の操作・観察を行う必要がある。そこで本研究では1分子レベルでの計測・観察を可能とする装置及び検出プローブの開発を遂行してきた。半導体微粒子は従来の蛍光分子で起こる退色などの問題も無く、入射光による発光波長(色)がそのサイズに依存し、単一の材料で幅広い波長の光を発光させることが可能であるため、新しいプローブとしての応用が期待されている。そこで本年度は主に半導体微粒子による生体高分子の修飾および配列制御について研究を行い異種類のタンパク質及び遺伝子の標識および検出プローブの開発を中心に行ってきた。 【実験】半導体微粒子の配列制御を行うために、本研究ではDNAの相補性と自己組織化を利用した。鋳型DNAの合成は100塩基のDNAを酵素反応により連結させることで行った。出発物質として用いたこのDNAは2箇所において18塩基程度の特異的な配列を有しており、それぞれの相補鎖を異なるQ-dot(発光波長655nmと585nm)で標識し、鋳型DNAとハイブリダイゼーションさせることで異種のQ-dotによる規則的な配列の作製を行った。 【結果】このようにして調整したQ-dot配列について原子間力顕微鏡(AFM)観察及び蛍光顕微鏡観察を行い評価した。得られたAFM像において調整したDNA-(Q-dot)複合体は基板上で伸張しており、直径10〜12nmのQ-dotが周期的にDNA上に配列できていることが確認された。そこで次に蛍光顕微鏡観察を行ったところ、作製したDNA-(Q-dot)複合体においてそれぞれのQ-dotからの蛍光が観察され、合成した鋳型DNA上に2種類のQ-dotが配列できていることが確認された。
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Research Products
(1 results)