2004 Fiscal Year Annual Research Report
2型糖尿病遺伝子の遺伝子間ならびに遺伝子・環境間相互作用解明
Project/Area Number |
04J07821
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 美里 大阪大学, 特別研究員(PD)
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Keywords | 2型糖尿病 / モデルマウス / NSYマウス / 遺伝解析 / 環境因子 / コンソミック / 耐糖能 / 肥満 |
Research Abstract |
自然発症2型糖尿病モデルNSYマウスにおいて、耐糖能関連遺伝子座(Nidd1n,2n,3n)を11番、14番、6番染色体上に同定し、各染色体を単独で有するコンソミックマウスを作出して機能解析を進めてきた。また、NSYマウスは、蔗糖飲水負荷により糖尿病形質が顕著に増悪することから、環境因子と相互作用する遺伝子を保有していると考えられる。そこで、コンソミックマウスを用いて、環境因子との相互作用を示す遺伝子の同定を目指した。NSYマウスの11,14,6番染色体をコントロールマウス(C3H/He)に導入したコンソミック系統(C3H-11^<NSY>,14^<NSY>,6^<NSY>)とNSY、C3H/Heマウスに4〜12週齢まで蔗糖飲水負荷を行なった。 蔗糖負荷によりNSY, C3H-11^<NSY>において体重の増加、肥満度の上昇が観察された。全系統で蔗糖負荷による耐糖能の悪化が見られたが、NSY, C3H-11^<NSY>,C3H-14^<NSY>において特に顕著であった。C3H-6^<NSY>の耐糖能は、蔗糖負荷の有無に関わらず、悪化を認めなかった。NSYとC3H-11^<NSY>においてのみ蔗糖負荷により肝臓重量が増加した。NSYマウスが有する蔗糖負荷に応答し顕著な耐糖能異常、肥満を誘導する遺伝子が、11番、14番染色体上に、脂肪肝の誘導に関しては11番染色体上に存在する可能性が示された。この結果は次回、日本糖尿病学会にて発表予定である。今後は、環境因子と相互作用する遺伝子の存在領域を限局するために、コンソミックマウス系統から導入したNSYマウスの染色体断片領域を短くしたコンジェニックマウスを作製する。本研究は、近年における2型糖尿病患者数増加の一因である環境因子(食事内容)に応答する遺伝子の同定に貢献できると考えられる。
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Research Products
(1 results)