2004 Fiscal Year Annual Research Report
18世期中期から後期にかけてのナポリの喜劇的オペラの変容
Project/Area Number |
04J07903
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山田 高誌 大阪大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | イタリア・オペラ / オペラ史 / 史料研究 / 劇場史 / 楽譜校訂 / ナポリ楽派 / 喜劇オペラ / 18世紀 |
Research Abstract |
本年度は、主にイタリア・ナポリにおいて研究を行った。具体的には、ナポリ銀行歴史文書館(Archivio Storico dell Istituto Banco di Napoli-Fondazione)における1770年代、1790年代の民間劇場興行師の銀行取引記録の調査、ならびにナポリ音楽院付属図書館において対象とする同期の喜劇オペラの楽譜に基づく作品研究を中心とする史料研究である。 その成果は次頁に記す通り、日本とイタリア両国における査読誌において公表されたほか、イタリア音楽学会全国大会(SIdM)、バーリ音楽院主催シンポジウム、日本音楽学会全国大会など、国内外の専門学会においても口頭発表が行われた(来年度論文として公表予定)。 本年度の特徴は、代表者がナポリ銀行史料から歴史的位置付けを確定し、パリ、ブリュッセル、ボローニャ等において楽譜・台本を収集・発掘したピッチンニ作曲、3幕の喜劇オペラ『アメリカのナポリ人』(1768、ナポリ)の楽譜校訂を行ったことである。これをうけ、この時代のオペラ上演を専門とするアントーニオ・フローリオ率いるナポリのバロック・オーケストラ《ピエタ・デイ・トゥルキーニ》、並びにフランス政府、バーリ音楽院は、2005年10月フランスのアンブロネAmbronay古楽祭において約240年ぶりの本作品の復活上演を決定し、本校訂譜もまたイタリアにおいて出版されることとなった。 上記の活動により、2005年度には既にイタリア音楽学会全国大会等における招待研究発表が予定されるほか、史料研究においてもナポリ劇場史における第一人者であるイタリア・アヴェリーノ音楽院パオロジョヴァンニ・マイオーネ教授、ならびにアメリカ・ノースキャロライン大学アンソニー・デルドンナ助教授と共同プロジェクトを組み、国際的連携の元、対象とする当該研究をさらに推進させることとなった。
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Research Products
(5 results)