2004 Fiscal Year Annual Research Report
インフレーションターゲティングモデルとその派生モデルの応用分析
Project/Area Number |
04J07911
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
立花 実 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 金融政策 / 米連邦準備制度理事会(FRB) / 日本銀行 / インフレーションゾーンターゲティング / 政策反応関数 / 政策ルール |
Research Abstract |
Svenssonのインフレーションターゲティングモデル[Inflation Forecast Targeting : Implementing and Monitoring Inflation Targets", European Economic Review, 41 1997, 1111-1146]を拡張したOrphanides and Wieland [Inflation Zone Targeting. European Economic Review, 44, 2000, 1351-1387]のモデルでは、最適政策はインフレーション・ゾーン・ターゲティングの性質(インフレ率がある低い範囲内にある時はその範囲外にある時と比べて、中央銀行はインフレ率に対する反応が鈍くなるという性質)を持つことが示された。私の研究では、彼らの理論研究をもとに、政策反応関数を推定することによって、実際に米連邦準備理事会(FRB)がインフレーション・ゾーン・ターゲティングをインプリシットに行っていたかどうかを検証した。その結果、FRBは少なくとも1980年代後半から、インフレーション・ゾーン・ターゲティングを行っていたことが示唆された。この研究は"Inflation zone targeting and the Federal Reserve"として論文にまとめ、現在、学術雑誌に投稿中である。また、日本銀行に関しても同様な分析を行った。結果、日本銀行もインフレーション・ゾーン・ターゲティングをインプリシットに行っていたことが確かめられた。この研究は"Did the Bank of Japan have the target zone for the inflation rate?"として、現在執筆中であり、近々、学術雑誌に投稿の予定である。
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