2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J07995
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大薮 範昭 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 非接触原子間力顕微鏡 / 原子操作 |
Research Abstract |
1.非接触原子間力顕微鏡を用いた試料表面の原子レベルでの画像化機構解明と、原子操作の理解には試料表面原子とプローブ先端原子間に働く力の解析が重要となる。しかし非接触原子間力顕微鏡では、この相互作用力を直接実験的に得ることはできない。そのため相互作用力によって引き起こされるカンチレバーの共振周波数の変化(周波数シフト)を相互作用力に変換する必要がある。今回、新しくSaderらによる理論に基づいたプログラムを開発し以前より高速で周波数シフトから相互作用力への変換が可能となった。その結果、Si(111)7x7表面において、表面原子上と、コーナーホールと呼ばれる原子が存在しない場所上のそれぞれの相互作用力を求め、数十nmオーダーの距離で働く長距離力と原子スケールの距離で働く短距離力の分離が可能となった。また、Ge(111)-c(2x8)表面上での試料表面上での力学的原子除去において短距離力を求めた結果、力学的垂直原子操作には、原子に働く短距離力が引力(引き抜き)と斥力(押し出し)の両方の場合があることがわかった。 2.一般に非接触原子間力顕微鏡では遠距離力を減らすためプローブは数nmから数十nmレベルで鋭く、またプローブと試料表面間の偶発的な接触による破壊を避けるため硬いプローブが理想的である。現在市販されている、シリコンプローブ表面がダイアモンドでコーティングされているプローブは、シリコンのみのものと比べ先端の曲率半径が大きいため、原子分解能観察は難しいと考えられてきた。今年度の研究で、ダイアモンドコートのプローブでもSi(111)7x7表面において、原子分解能が得られることが確認できた。
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Research Products
(5 results)