2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J08033
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Research Institution | Osaka University |
Research Fellow |
高田 健治 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 非線形現象 / 光重合反応 / 2光子吸収 / フォトニック結晶 / 無電解メッキ法 |
Research Abstract |
1.近赤外フェムト秒レーザー(波長780nm,パルス幅80fs,繰り返し周波数82MHz)照射による光重合反応の硬化特性を調べた.試料としてラジカル重合反応により硬化する光硬化性樹脂を用いた.その結果,非線形現象により光重合反応をナノメートルオーダーの局所領域に閉じ込められることを見いだした.これは,入射光強度の2乗に比例して生じる2光子吸収の非線形性と,樹脂の光重合反応自身の非線形性に起因する.光重合反応自身の非線形性とは,光吸収によって始まる化学反応が露光エネルギーに対して非線形な応答を示すというものである.ラジカル重合では光吸収によって生成したラジカルが周囲のモノマーを連鎖的に重合する.ここで,樹脂中に阻害剤が存在すると,ラジカルは阻害剤と結合して重合を引き起こすだけの活性を失い重合領域が制限される.露光条件を最適化して樹脂内でレーザー光の焦点を走査し,ファイバーアレイ構造を形成した.微細構造は重合過程および現像乾燥過程において最大40%収縮した.この収縮現象を利用して,加工サイズを面内方向65nmまで小さくすることに成功した. 2.光機能性ナノデバイスの作製を行った。2光子吸収光重合反応により20x20x7.5μmの3次元ログパイル型フォトニック結晶を作製した。収縮による構造の変形を防ぐために、事前に逆補正を形状に掛け構造を作製した。格子定数を1.1,1.3,1.5,1.7μmと変化させ透過スペクトルを測定し、それぞれ5000,4885,4465,4320cm^<-1>付近にフォトニックバンドギャップを観測した。実験結果は、理論計算によって得られたバンドギャップのピークと一致した。 3.無電解メッキ法を用いて金属ナノ構造を作製した。金属ナノ構造が新しい機能を持つナノ材料となることは、最近世界的に興味がもたれている。2光子吸収光重合反応により3次元微細構造作製後、構造の表面に還元剤としてすず(II)イオンを塗布した。構造を銀イオン溶液に浸して銀イオンを還元させ、構造表面に銀薄膜を形成した。
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Research Products
(2 results)